少し時間が空いてしまいましたが、先週行われました「ユースフットサル選抜トーナメント2015」を振り返りたいと思います。
東京都ユースリーグ選抜U-18(以下「東京都選抜」)として、大会自体は準優勝として大会を終えました。開催地枠として、リーグ戦を突破し決勝戦まで上がれたことは、最低限のノルマは達成できたのではないかとホッとしています。
優勝した愛知県選抜は、フットボーラーとしての個人能力、フットサル選手としての戦術理解力など、フットサルチームとして優勝に一番ふさわしいチームで、決勝で戦うことができ、素晴らしい経験となりました。
また準決勝では、同じ東京都リーグ優勝チームの「FOOTBOZE FUTSAL U-18」と対戦し、最後まで目が離せない、観ている人たちが熱くなるような試合ができたことは非常に嬉しく思っています。
さて、事前に掲げていたふたつの目標「優勝」「動員1,000人」ですが、両方とも達成することができませんでした。
まずは動員についてですが、開催地チームとして選手やスタッフによるSNS等の告知を行い、動員1,000人を目標としていましたが、決勝戦の観客が387人ということで半分にも達しませんでした。平日ということもあり、なかなか思うように観戦者を集めることができませんでした。メディア露出が少ないこの大会において、内部からの動員を考えると、一番動員したかったのは、学校の部活に所属している選手の学校単位での動員でしたが、期待以上の動員にはつながりませんでした。フットサル部に所属しておらず、普段、フットサルを見ない一般の学生にとって、全国大会というコンテンツはフットサルの魅力を伝えるのに相応しい場所だと思うので、次回以降については改善し、より多くの観戦者を集めていきたいと思います。
さて、実際のプレーについてですが、東京都選抜を率いるにあたり、アグレッシブなフットサルで主導権を握り、多くのチャレンジをしていくことをコンセプトとして上げました。
選手たちは、一部を除き、年間リーグで戦っているものの、残念ながら、フットサルの技術、戦術がしっかり身に付いている選手は少なく、思うような戦略をとることができませんでした。攻撃において、数回の練習では浸透させることは不可能でしたので、遅攻についてはセットを組んだ元のチームの戦術に任せ、それが全国でどこまで通用するかチャレンジさせることにしました。
守備においては、全国大会に出場する能力の高い相手にどれだけ良い守備ができるかということで、守備における一番良いプレーである「奪うプレー」を意識し、そこからのショートカウンターを理想の形とし、チーム全体で意識させるようにしました。
上記のコンセプトの元、戦っていく中で、大会を通じて大きく足りなかった部分が二点あります。
・ボールを奪取した後のファーストプレーの精度
・プレーエリアを意識したプレーの選択
ボールを奪取した瞬間に、前に進めるのかそれともキープするのか、ボールを持っていない選手は前にダッシュするのか、それとも後ろにサポートするのか、
相手が揃っている状態の遅攻とは異なり、同じシチュエーションがない中で、状況を認知し、即座に最良の決断をしなければなりません。その点において、判断が遅く、決断までに時間がかかるケースや、誤ったポジション取りをしてしまうことによって、再度ボールをロストしてしまう場面が多く見られました。
この力をつけるためには、普段から攻守の切替があり、プレッシャーがかかるトレーニングを行わなければなりません。
そして、二つ目については、自分がどのエリアでボールを保持しているのかを認識し、リスクをおかしてプレーして良いのか、それとも、しっかりボールを保持しなければならないのかを、決断しなければなりません。年間のリーグ戦でしばし見られていた、エリアやチームプレーを優先するのではなく、自分の得意なプレー、好きなプレーを選択してしまうという癖が治らず、自陣エリアでボールを奪取される場面が何度もあり、即座にピンチを招いていました。
やはりこれにおいても、普段のトレーニングから、実際のゲームに近い形で、相手のプレッシャーのある状況で行わなければ、身につかないものだと思います。
東京都選抜は全国で準優勝という一見、素晴らしい結果に見えますが、上記以外にも多くの反省点があり、普段のトレーニングやリーグ戦がまだまだだということをこの大会を通して、選手、スタッフが感じたと思います。
現状に満足せず、普段からもっと質の高いトレーニングを積み重ね、指導者間で情報を共有し、リーグ全体で底上げをしなければ、他地域に追い越されるのも時間の問題だと思います。今回の経験を生かし、レベルアップを図り、次回の選抜大会では、日本一になります。今後の東京都ユースリーグに期待してください。
ユースフットサル選抜トーナメント2015
東京都ユースリーグ選抜U-18監督
森佳祐