フットサルの育成について考えると、いつも同じ壁にあたる。
フットサルが知られていないという壁である。フットサルの知名度のことではなく、競技としてのフットサルのプレーイメージがないということである。
私は今年度、ユースの監督として初めて1年間通して戦った。フットサルクラブチーム、高校のフットサル部や高校のサッカー部など、いろいろな環境のチームと対戦をした。その中で、フットサルのピッチで、サッカーと同じプレーをするチームと戦った回数は少なくなかった。その戦い方が良いとか悪いとかと言うつもりはない(むしろサッカースタイルの方が怖かったりする…)。
ただ、彼らはフットサルを知らないだけなのだ。フットサルを知らないというのは、フットサルをしながらも、フットサルをしていないに等しく、フットサル経験の積み上げにはならない。
また、私のクラブのユースチーム、サテライトチームには、トップチームを目指して、門を叩いてくる選手が多くいる。とても楽しみな才能を持った選手でも、チームにすんなりと合流することができず、まずはフットサルを知ることから始めなければならないことが多々ある。それは短い現役生活の中で、非常にもったいない期間だ。
育成年代の指導として、選手たちにフットサルを深く掘り下げて知ってもらうことは、とても大切なのは言うまでもない。だが、若年層でフットサルをやっている者よりも、むしろ、フットサルをしていない選手が、高校卒業後にフットサルにチャレンジすることが多いのが現状だ。フットサルをやっている者だけがフットサルを知っていても、それは真の育成にはならない。
一人でも多くの人達に知ってもらうため、サッカーとの垣根を超えて、大きく言えば、その他のスポーツの垣根を超えてスポーツを楽しむ人にも、一般の人たちにもフットサルを知る機会を増やすこと。それこそが、日本フットサル界の本当の育成につながるはずだ。
「言うは易く行うは難し」。
偉そうに言った以上は、実行するのみ。このサイトでその様子を紹介できればと思います。
府中アスレティックFC 下部組織統括
森佳祐