武相高校フットサル部顧問 大友洋介「U-18年代の育成~フットサルとサッカーの違いは何だと思う?~」

高校生の選手に初めてフットサルを教える際、フットサルとは何かを考えてもらうために、必ず同じ質問をします。それは「フットサルとサッカーの違いは何か?」です。

もちろん、たくさんのキーワードが上がってきます。スローインではなくキックイン、11人と5人、オフサイドがない、交代が自由、パワープレー、ゴールが小さい、ボールが弾まない、などなど。

その上で、「サッカーとフットサルを分ける、重大な違いは何だと思う?」と聞いてみます。

再びいくつかキーワードが上がりますが、先程よりよく考えて厳選されたキーワードとなります。ここで、私の考えを選手に伝えます。

フットサルとサッカーの違いは二点だけです。1つ目の重大な違いはオフサイドがないこと、2つ目の重大な違いはボールがローバウンドで扱いやすいということです。」この2点がフットサルとサッカーを違う競技に変えてしまいます。

武相ブログ1オフサイドがないのであれば、オフェンスの最前線の選手は、ディフェンスの裏を取ってボールをもらおうとします。ディフェンスの最後尾の選手は、オフェンスの選手に裏を取られないように守ります。すると自然に、ピヴォとフィクソの関係性が生まれます。

フットサルボールはサッカーボールよりもボールが扱いやすいため、足の裏を使ってプレーをします。すると、ボールを手で扱っているかのような緻密なプレーが求められます。

選手には、フットサルは足でやるバスケットボールのような競技だと説明します。

以上のことを考えた上で練習を行うと、ピヴォを狙った攻撃と、それを阻止する守備が始まります。止まったままボールを回しても、突破口が開けないため、オフェンスの選手はパスを出したその後に走り出すことになります。すると次第に、オフェンスの選手はボールをパスしたその後に、スペースを見つけて走り込む動きが求められます。そして、パラレラとディアゴナルの動きを教えることになります。

こうして武相高校のフットサルが始まります。

私は、基本的にフットサルとサッカーは同じであると考えています。その上で違いはこの2点であり、戦術を考える上での基本としているのです。

フットサルとサッカーは同じですから、戦術に溺れすぎると、基本的な技術の差によって、サッカーを主に活動するチーム(サッカー部)に負けてしまいます。戦術を磨かなければ、フットサルチームに負けてしまいます。バランスよくトレーニングする必要があるのです。

 

武相ブログ2もし、フットサルのキックインをスローインにしても、フットサルはフットサルです。変わりません。サッカーのスローインをキックインにしても、多少得点は増えるでしょうが、サッカーはサッカーです。フットサルを6人制にしても、フットサルはフットサルです。サッカーを5人で行っても、7人で行っても、サッカーはサッカーです。但し、オフサイドをなしにすれば、フットサルに近い競技となります。8人制の少年サッカーは、どちらかといえば8人制のフットサルだと思っています。11人制のサッカーを、フットサルボールで行うと、フットサルに近い競技となります。5人制のフットサルを、サッカーボールで行うと、サッカーの技術が高いチームが勝利するでしょう。もちろん、ピッチの広さや人数も大いに影響があります。

オフサイドがないこと、ローバウンドで扱いやすいボールこの二点を起点として、ゴールを奪うこと、ゴールを守ることを考えることがフットサルのはじまりです。

2015年8月1日 | カテゴリー : 指導者 | 投稿者 : futsalr2015

フットサル審判員・4種フットサルコーチ「審判員も兼ねるコーチが出来る、選手の頑張りを引き出す方法」

今回のテーマは「審判員も兼ねるコーチが出来る、選手の頑張りを引き出す方法」とさせて頂きました。

早速ですが、3種・4種のチームに関わっていらっしゃる方々、場合によっては2種のチームにもいらっしゃいますが、多くの場合コーチをしながら各種予選会やリーグ等では、帯同審判員を兼ねている方もいらっしゃると思います。

ブログ2用4ちなみに私の場合は、独身時代から審判員の活動を始め子供が出来、所属したチームの帯同審判員を行うと言う、審判員先行型とでも言うべきか、あまりケースとしては多くないと思います。

さて、このコーチをしながら審判員をするというのは幾つかの弊害があり、コーチ目線で言えば自チームの試合の前後に担当が割り振られると、チームのゲームの入りやゲーム直後の振り返りに、時間的なブランクが出来てしまうと思います。

逆に審判目線で行けば同様の割り振りが合った場合、他の指導者にチームを丸投げするか、相当前にスタートのメンバー発表をしたり、ゲームの立ち上がりにベンチ入りが間に合わなかったり、場合によっては後半には次の試合の担当の為に、席を離れると言うケースもあるかと思います。

ここで1つの論点になるのは、自チームに重きを置くか他チームのマッチに充分に備える事が出来ているのか?と言う事だと思います。

今では、試合の組み方に工夫をして自チームの試合と審判担当の試合の間に、1試合のブランクを設けたりして、だいぶ改善されるようになって来ては居ますが、もう一息と言うところでしょうか。

このような場合、ぜひ発達したコミュニティーやSNSで審判員を探して見て下さい

係っている世代の中でとかく情報も籠ってしまいがちですが、世の中には審判技術を高めたくても、なかなかその環境が無く、受け入れてくれる団体を探している方も居ます。

競技・技術と審判は両輪ですから、お互いのメリットが生まれれば素晴らしいと思います。

ここで、審判員からスタートした私が、コーチを兼ねる方々に審判員を担当する時のアドバイスです。

選手にベンチからコーチングを行う時に、ボールがタッチライン際を走っている時、ゴールラインに向かって早いボールが走っている時、それを追いかける選手に「出すな!」「あきらめるな!!」なんてコーチングをしませんか?

審判を始めてまだ浅いコーチにアドバイスを求められた時に、私は必ずブログ2用3

「選手が試合中にラインぎりぎりまで走る事をコーチが求めるならば、審判員はそのギリギリをそこまで行って見届けてあげるべきですよね」

と話させて頂いています。

コーチの時に選手に求めるならば、審判担当の時にはその努力を発揮できるように尽くす。それが、他チームの選手であっても、です。

この繰り返しが選手の頑張りを引き出せるのではないでしょうか?

コーチを担当する人だからこそ、審判の時にはそうあって欲しいと思い、今回のタイトルを設定させて頂きました。

2015年7月20日 | カテゴリー : 審判 | 投稿者 : futsalr2015

フットサル審判員・4種フットサルコーチ「なぜコーチが選手に、審判から警告をされる様な指示を出すの?」

この度、futsal Rよりコラム執筆のご依頼を頂きました、某中年のフットボーラーです。どんな因果か審判を担当したり、4種のフットサルコーチをしていますので、この関連で御縁が有り、審判の目線で皆さんに文章を書かせて頂く事となりました。

futsal Rさんからは、「審判の立場から考える少年世代のフットサル指導について」と言うテーマを仰せつかっていますが、コーチングの勉強を重ねてきた訳ではなく、むしろ審判の世界にどっぷりと浸かってしまっている私ですから、「審判員が考える、育成年代に選手に身に付けておいて欲しい、ルールに基づいたプレー」とか、審判員が考える、育成年代に身に付けてしまうと大人になってからの修正が大変な、ルール上認められないプレー」とか、そのような視点で普段審判員はどんなことを考えているのか、感じているのか書き綴りたいと思います。

このコラムも今回で終わりなのか、次回もあるのかそれすらも未定で、さらに私も正しい日本語で書けているのか分かりませんが、お暇な時に読み進めて頂ければと思います。

さて、審判員としての活動がメインで有る以上、具体的な氏名やチーム名が出せないことを先にご了承頂ければと思います。

また、私視点からの書き起こしですから、もちろん全ての審判員が同様な内容を感じている事もなく、同じように考えている訳でもないことを前提に、私が審判担当した試合や、対戦相手のコーチについて感じた事を書いて行きたいと思います。

「なぜコーチが選手に、審判から警告をされる様な指示を出すの?」

※写真はイメージです

※写真はイメージです

このタイトルだけを見ると、「そんな事あるわけないだろ?」なんて反応が聞こえて来そうですが、私がそう感じたシーンは、このような場面の時です。

Aチームが相手陣内の、Bチーム第二ペナルティーマーク付近で直接フリーキックを得た場面です。

距離感から行けば、充分に直接ゴールを狙えるシーンです。この時に、Aチームの選手がボールをセットしようとしている所に、Bチームのコーチの方が「ボールの前に立て!」と大きな声で怒鳴るようなコーチングをされました。

それを聞いたBチームの一人の選手がすかさず、ボールの前に両足をそろえて立ちはだかり、Aチームのクイックを防いだのです。お分かりになりますでしょうか?Aチームのクイックプレーをさせない様に、コーチがボールの前に立てと選手に指示したのです。

審判担当していた私は、正直「くちあんぐり」な状態でした。

なぜならば、その立ちはだかった選手の意図は何でしょうか。Aチームの選手のクイックプレーを遅らせて、蹴らせないためですよね。

私は躊躇することなく「遅延為」でその選手に対して警告を与えたのですが、果たして指導者としてはそのコーチングで良かったのでしょうか?

良くコーチングには、正解は無いと言われていますが、ルールの12条に記載されている内容を、選手に指示をする様な事があってはならないと思っています。

サッカー・フットサルで、競技レベルが上がると、一つの傾向が見えてきます。

フリーキックやキックインが顕著ですが、相手のボールによって再開される場合、先にボールに近寄って再開を遅らせる様なプレーをしなくなります。

むしろ先に、離れなければならない距離にすんなりとポジショニングを行い、GKの指示を受けたり、壁の位置や枚数の修正を行ってクイックに備えているように思えます。

確かに、大きな意味で戦術的なメリットを考えれば、相手の再開を遅らせると言う行為は、その間に仲間が守備をする時間の確保が出来、チームに対してもメリットがある行為なのかもしれません。

しかし、特に4種・3種世代では、コーチの言葉は神様の言葉と同じ。伝えられた言葉はすべて正しいと思うのではないでしょうか?

私が担当しているチームのトレーニングでの話ですが、このチームのトレーニングで「反スポ」や「ラフ」に該当する警告になるプレーを選手が行った場合、他の選手には可哀相ですがその場でトレーニングを止め、その行為を行った選手に対してその悪さを滾々と説明します。

外からみれば、その選手はトレーニング中に「晒しもの」なっている様な状況です。その選手には可哀相ですが、この「晒しもの」にする為か、殆どの場合その選手は自身のプレー内容を振りかえり、気付いてくれる事が出来ます。私のこのアプローチが正しいのかどうか分かりません。

しかし、いざ大会だ!トレーニングマッチだ!と言う時に、このようなプレーをしなくなると言う実感もあります。

選手たちは年齢を重ねるにつれて、色々なプレーを身につけ、判断スピードも速くなり、想像力豊かなプレーが出来るようになると思います。でもそれらはルールにのっとって競技した上での話であって、それを外してしまえば将来活躍する事の無い不要な技術になってしまいます。

image1育成年代にかかわるコーチは、「正しくルールを理解してそれを選手に伝えなければならない」そう言ったミッションも課せられていると考えています。

世の中にはゲーリー・リネカーの様に、20年間の現役生活で生涯1枚もカードを貰った(?)事の無い選手も居ます。教え子の中から、第二のリネカーを出しませんか?

2015年5月29日 | カテゴリー : 審判 | 投稿者 : futsalr2015

武相高校フットサル部顧問 大友洋介 「フットサルの入り口」 ~チームの扉をたたいてみてください~

神奈川県横浜市にある武相高校で、2002年からフットサルを指導しております。

U-18年代の育成をテーマに、U-18年代のフットサルチームについて紹介します。

11人のサッカーは、基本的に高体連とU-18クラブに分かれていますが、フットサルではこの区別がありません。クラブチームも部活動も、同じ大会に参加し競い合っています。

フットサルチームの形態は様々です。

Ⅰ.学校のフットサル部

フットサル部(含、同好会)がある学校は、それほと多くはありませんが、以下のように分類されます。

ⅰ.サッカー部が強いまたは人数が非常に多い学校のフットサル部

ⅱ.グラウンド事情により、サッカー部がない学校のフットサル部

ⅲ.フットサル愛好者が多く、生徒たちの熱意により設立されたフットサル部

いずれの場合も、定期的な練習場所を確保できること。顧問の先生がいることが、クラブ設立の条件となります。

Ⅱ.学校のサッカー部

ⅰ.サッカー部がフットサルとサッカーの両方に取り組む。

ⅱ.サッカー部を、高体連登録とクラブチーム登録に分け、フットサルとサッカーの両方に取り組む。

ⅲ.人数が少ないため、フットサルを中心に取り組む。

高体連のサッカー大会は、1校から1チームしか参加できない大会がほとんどです。100人以上いても、試合に出られるのは11人、ベンチ入りも20名ほどです。そのため、試合経験がないまま3年間過ごす選手もいます。フットサル大会は、1つのチームを複数に分けて大会エントリーすることができるので、ほとんどの選手が試合を経験することができます。

Ⅲ.クラブチーム

ⅰ.地域のスポーツクラブとして活動しているフットサルチーム。

ⅱ.Fリーグを含む、社会人チームの下部組織。

ⅲ.サッカーを主に活動するチームのフットサル部門。

ⅳ.フットサルの指導者が中心となって運営しているフットサルチーム。

ⅴ.フットサル施設が運営するフットサルチーム。

ⅵ.同じ学校に通う生徒達で作り上げたサークルとして活動しているフットサルチーム。

ⅶ.中学まで共にサッカーをしていた選手たちで作り上げ、その保護者が中心となって運営しているチーム。

クラブチームも本当に様々です。しっかりとした運営と、活動拠点があることが重要です。

Ⅳ.その他

ⅰ.友人同士で集まって作ったフットサルチーム。

ⅱ.フットサルスクールの生徒達で、参加する大会のためだけに結成したフットサルチーム。

ⅲ.中学時代共にサッカーをしていた選手たちで、参加する大会のためだけに結成したフットサルチーム。

5人で試合ができるフットサルでは、こういったチームも大会に参加しています。ただし、個人登録制度からチーム登録制度に変わったため、大会よっては参加が難しくなっています。

これからフットサルをはじめようとする選手には、数多くの選択肢があります。まずは、どんなチームで活動するかを決断してください。自分自身にとって一番フットサルを楽しめる環境となるよう考えましょう。

学校においても、クラブにおいても 経験のある指導者が不足していました。しかし、近年 一時代を創ったフットサル選手たちが、指導者として活躍し始めています。また、長年活動しているフットサルチームの指導者たちの成長も著しいです。サッカーの指導をしながら、フットサルの指導も行える指導者も増えて来ています。指導できる人がいなくても、指導者がいないことによって、フットサルを学ぶことの大切さを覚えた選手も数多くいます。

フットサルの入り口はとても広いです。「やってみようかな」といった気持ちがあるなら、ぜひチームの扉をたたいてみてください。

武相高校フットサル部顧問

大友 洋介

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2015年4月25日 | カテゴリー : 指導者 | 投稿者 : futsalr2015

futsal R 高島正暉「大人になるまでに鍛えるべき3つの能力」

「認知」「決断」「実行」。これらが必要な場面は私達の日常の生活のなかでどれほどあるでしょうか。料理をしているときも、買い物をしているときも、自動車を運転するときも、判断に必要な情報を収集し、それらをもとに「どの手順で料理をつくるのか」「どの商品を買うのか」「ブレーキを踏むのか踏まないのか」等々、取捨選択をしながら最終的に行動に移します。日常のある部分を切り取っても、私達の生活は「認知」「決断」「実行」で溢れていることが分かりますよね。

さて、フットサルのゲームではこの「認知」「決断」「実行」の能力が求められると言われています。先日の「ユースフットサル選抜トーナメント全国大会2015」を制した愛知県選抜U-18の高橋優介監督(名古屋オーシャンズU-18監督)は、「育成年代の指導で重んじているのは、いかに『認知』『決断』『実行』を養うかだ」と話していました。極論をいえば、足元の技術は自主トレを重ねれば一人でも巧くなるし、その技術が高い選手は世界中にたくさんいます。ですが、そこに「認知」「決断」「実行」が伴わなければ「宝の持ち腐れ」になってしまうのです。セレクションなしで集まった名古屋オーシャンズU-18の選手達は技術的に相手を圧倒したというよりは、個人として、あるいはチームとしての最大の強みを活かすための「認知」「決断」「実行」に長けていました。

フットサルは、サッカーに比べて狭い空間のなかでプレーをしなくてはならず、サッカーより約6倍もボールに触れる時間が長いというデータも出ています。6倍もボールに触れる時間が長いということは、「オン・ザ・ボール」「オフ・ザ・ボール」において「どうボールをキープするのか」「どう上手くパスを受け取るのか」、必要な情報を収集して「認知」し、数ある選択肢から「決断」して「実行」に移す、この一連の動作が必要になる場面も6倍になると言えるのではないでしょうか。

IMG_0487また、フットサルで「認知」「決断」「実行」が求められるのは、ボールに密接に関わる場面に限られません。高橋監督は全国大会の決勝戦のチームの様子をこう話していました。

「試合前は、前半の立ち上がりからアグレッシブに前線からプレスをかけようと指示していました。ですが、始まってみると自陣のコートに引いた消極的な立ち上がり。ベンチに戻ってきた選手に話を聞いてみたら、選手は『すみません、相手が立ち上がりから仕掛けきて、こっちも疲れがあったので安全に試合に入りました』と答えました」

つまり、名古屋オーシャンズU-18の選手たちが中心の愛知県選抜U-18は、自らでチームや相手の状況を「認知」して、安全に試合に入るという「決断」をし、チームとして「実行」したのです。彼らは、チームの戦術的な攻撃、守備においても相手や自チームの状況に応じて、取捨選択できる「臨機応変さ」を兼ね備えていたのです。日本のフットサル界、あるいはフットボール界では、誰かを頼るのではなく勝つために最も効果的な選択をすることをチームレベルで実践できるチームは未だに数少ないと思います。

フットボールというスポーツは、相手・味方の状況、審判、設備環境などあらゆる要因によって左右されます。とりわけ、狭い空間で行われるフットサルは、相手・味方の状況、審判、設備環境などの微妙な「ズレ」によって点を奪い・奪われ、それによって勝敗が決まることもあります。その微妙なズレを敏感に「認知」し、そのうえで「決断」して臨機応変に「実行」できるのか、ここにフットサルの本質は潜んでおり、これこそが育成年代のフットサルで最重要視する点ではないでしょうか。

そしてまた、「認知」「決断」「実行」はフットサル以外の生活でも非常に求められる力です。NPOカタリバ理事、株式会社BOLBOP代表取締役の酒井稜氏は『あたらしい戦略の教科書』で、ビジネスにおける戦略家をベテランドライバーにたとえてこう言っています。

―ベテランドライバーは、ある状況下においては、どのような情報を入手しなければならないのかについて経験的に知っています。そのため、周囲の状況は必要最低限に把握しつつ、予想外の事態にも反応できるだけの余裕を持っています。(中略)ビジネスでの戦略の実務においても同じことです―

最終的にビジネスでもフットサルでも「実行」の逆算から、「決断」するためにどのような情報・状況の「認知」が必要なのか、これを普段から考えて経験的に出来る人ほど優れた成果を得やすいのではないかと思います。

「認知」「決断」「実行」を鍛えることはフットサルで勝つために必要な能力であり、生きていく上でも役立つことなのではないでしょうか。

futsal R 高島正暉

2015年4月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : futsalr2015

東京都ユースリーグ選抜U-18 森佳祐監督「今後の課題」

少し時間が空いてしまいましたが、先週行われました「ユースフットサル選抜トーナメント2015」を振り返りたいと思います。

東京都ユースリーグ選抜U-18(以下「東京都選抜」)として、大会自体は準優勝として大会を終えました。開催地枠として、リーグ戦を突破し決勝戦まで上がれたことは、最低限のノルマは達成できたのではないかとホッとしています。

優勝した愛知県選抜は、フットボーラーとしての個人能力、フットサル選手としての戦術理解力など、フットサルチームとして優勝に一番ふさわしいチームで、決勝で戦うことができ、素晴らしい経験となりました。

都選抜準決勝2また準決勝では、同じ東京都リーグ優勝チームの「FOOTBOZE FUTSAL U-18」と対戦し、最後まで目が離せない、観ている人たちが熱くなるような試合ができたことは非常に嬉しく思っています。

さて、事前に掲げていたふたつの目標「優勝」「動員1,000人」ですが、両方とも達成することができませんでした。

まずは動員についてですが、開催地チームとして選手やスタッフによるSNS等の告知を行い、動員1,000人を目標としていましたが、決勝戦の観客が387人ということで半分にも達しませんでした。平日ということもあり、なかなか思うように観戦者を集めることができませんでした。メディア露出が少ないこの大会において、内部からの動員を考えると、一番動員したかったのは、学校の部活に所属している選手の学校単位での動員でしたが、期待以上の動員にはつながりませんでした。フットサル部に所属しておらず、普段、フットサルを見ない一般の学生にとって、全国大会というコンテンツはフットサルの魅力を伝えるのに相応しい場所だと思うので、次回以降については改善し、より多くの観戦者を集めていきたいと思います。

さて、実際のプレーについてですが、東京都選抜を率いるにあたり、アグレッシブなフットサルで主導権を握り、多くのチャレンジをしていくことをコンセプトとして上げました。

選手たちは、一部を除き、年間リーグで戦っているものの、残念ながら、フットサルの技術、戦術がしっかり身に付いている選手は少なく、思うような戦略をとることができませんでした。攻撃において、数回の練習では浸透させることは不可能でしたので、遅攻についてはセットを組んだ元のチームの戦術に任せ、それが全国でどこまで通用するかチャレンジさせることにしました。

守備においては、全国大会に出場する能力の高い相手にどれだけ良い守備ができるかということで、守備における一番良いプレーである「奪うプレー」を意識し、そこからのショートカウンターを理想の形とし、チーム全体で意識させるようにしました。

上記のコンセプトの元、戦っていく中で、大会を通じて大きく足りなかった部分が二点あります。

・ボールを奪取した後のファーストプレーの精度

・プレーエリアを意識したプレーの選択

ボールを奪取した瞬間に、前に進めるのかそれともキープするのか、ボールを持っていない選手は前にダッシュするのか、それとも後ろにサポートするのか、

相手が揃っている状態の遅攻とは異なり、同じシチュエーションがない中で、状況を認知し、即座に最良の決断をしなければなりません。その点において、判断が遅く、決断までに時間がかかるケースや、誤ったポジション取りをしてしまうことによって、再度ボールをロストしてしまう場面が多く見られました。

この力をつけるためには、普段から攻守の切替があり、プレッシャーがかかるトレーニングを行わなければなりません。

そして、二つ目については、自分がどのエリアでボールを保持しているのかを認識し、リスクをおかしてプレーして良いのか、それとも、しっかりボールを保持しなければならないのかを、決断しなければなりません。年間のリーグ戦でしばし見られていた、エリアやチームプレーを優先するのではなく、自分の得意なプレー、好きなプレーを選択してしまうという癖が治らず、自陣エリアでボールを奪取される場面が何度もあり、即座にピンチを招いていました。

やはりこれにおいても、普段のトレーニングから、実際のゲームに近い形で、相手のプレッシャーのある状況で行わなければ、身につかないものだと思います。

東京都選抜は全国で準優勝という一見、素晴らしい結果に見えますが、上記以外にも多くの反省点があり、普段のトレーニングやリーグ戦がまだまだだということをこの大会を通して、選手、スタッフが感じたと思います。

現状に満足せず、普段からもっと質の高いトレーニングを積み重ね、指導者間で情報を共有し、リーグ全体で底上げをしなければ、他地域に追い越されるのも時間の問題だと思います。今回の経験を生かし、レベルアップを図り、次回の選抜大会では、日本一になります。今後の東京都ユースリーグに期待してください。

ユースフットサル選抜トーナメント2015

東京都ユースリーグ選抜U-18監督

森佳祐

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2015年4月1日 | カテゴリー : 指導者 | 投稿者 : futsalr2015

ユースフットサル選抜トーナメント2015・選手たちの『メッセージボード』

大会中、各チームの選手に書いていただいた『メッセージボード』をご紹介します。

「愛知県選抜U-18」「浜田フットサルクラブU-18」「鹿島学園高校」「FOOTBOZE FUTSAL U-18」「北海道U-18選抜」「東京都ユースリーグ選抜U-18」「大分県選抜U-18」には一次リーグ中に大会への意気込みを書いていただきました。

「高知中央高校」「富山県U-18選抜」「八戸工業大学第一高校」「兵庫県選抜U-18」「TEAM AUELU U-18」には一次リーグ後に次年度の目標やチームPRを書いていただきました。

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『優勝』愛知県選抜U-18

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『日本1』浜田フットサルクラブU-18

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『一戦必勝』鹿島学園高校

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『全国制覇』FOOTBOZE FUTSAL U-18

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『夢への挑戦』北海道U-18選抜

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『全員優勝』東京都ユースリーグ選抜U-18

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『温泉魂』大分県選抜U-18

高知中央

『高知家やき』高知中央高校

富山選抜

『北陸新幹線開通』富山県U-18選抜

『やれるかやれないかではなく、やるんだ!!』八戸工業大学第一高校

『やれるやれないではなく、やるんだ!!』八戸工業大学第一高校

『レベルを上げる』兵庫県選抜U-18

『レベルを上げる!』兵庫県選抜U-18

『マネージャー募集中です!』TEAM*AUELU U-18

『マネージャー募集中です!』TEAM*AUELU U-18

2015年3月26日 | カテゴリー : 選手 | 投稿者 : futsalr2015