圧倒的なパワーと高い技術力を見せつけ、見事優勝に輝いたU-18新潟県選抜。幼馴染でもあり、厚い信頼関係で結ばれた16名のメンバーたちは、高校生活の最後の最後に全国制覇を果たし、喜びを分かち合った。
大会2位となる6得点を挙げ、チームを引っ張り続けたキャプテン 14番 小林拓夢選手。そして、決勝のPK戦で3本目を止め、優勝に大きく貢献した1番 GK 小川明乗選手にお話を伺った。
―優勝おめでとうございます!まずは今の率直なお気持ちを聞かせてください。
小川:嬉しいですね。今回のメンバーは小学生、中学生からよく知っている仲間たちだったんですが、そういうメンバーで集まって出場するなら絶対にタイトルを獲ろうという気持ちでした。それはみんなも同じだったと思います。
小林:やっと獲れたという気持ちです。嬉しいです。
―大会2日目の今日は、1次ラウンド最終戦の香川県立高松商業高校との対戦で始まりましたが、その試合内容を振り返っていただけますでしょうか。(新潟県選抜10-5高松商業)
小川:前半の最後、2-1で終わりそうなところを自分のミスで2-2になってしまって雰囲気的にまずい感じだったんですが、信頼できる仲間たちがやってくれて、勝つことができました。本当に助かりました。
―準決勝、Cグループ2位、ワイルドカードで上がってきた静岡県選抜との対戦は8-2と大差が付きましたね。
小林:相手の疲労度が高いと思っていたので、そこをどんどん前から潰して行って、高い位置で奪って、そのままゴールという形ができていたと思います。その結果、前半で得点差が開いたので(前半終了時7-0)、後半は楽にゲームを進めることができました。
―決勝はU-18東京都選抜との対戦。それまでの対戦と比較すると、思い通りには攻撃できていない部分があるように見えましたが。
小林:相手はしっかりフットサルをやっていたので、なかなかゴールを割ることができなかったんですが、その中でも自分で切り込んでゴールできたのは良かったです。
―1点目を取るまでの間、焦りなどはありませんでしたか?
小川:なかなか点が取れないという状況は経験しているので、特に焦りはありませんでした。足もととか、パス、タイミングなどは自分たちのフィールドの選手たちの方が巧いと思っていたので、信頼して後ろから見ていました。1セット目の選手たちは技術やフィジカル、2セット目の選手たちは足を使ってガンガン前からプレッシャーという風に全員でいろいろなやり方で戦ったので、相手にとっては嫌だったんではないかと思います。
小林:チーム全員で戦えましたね。
―そして後半残り8分30秒で、待望の1点目。小林選手が右サイドをドリブルで打開しそのままシュートという形でしたが、そのゴールシーンを振り返っていただけますか。
小林:自分の右足が読まれているのは分かっていたので、一回キックフェイントを入れて打とうと前半からずっと考えていました。相手が滑ってくるので、ちょっと我慢して止められればみんな前からいなくなるので、それを狙って、最後はトーキックで決めました。
―小林選手が先制点を決めた2分後、今度は東京都選抜に決められ同点とされてしまいます。その時のチームの雰囲気はどうでしたか?
小林:「相手はフットサルの専門的な技術が高いわけだからセットプレーで取られるのは仕方ない」と割り切っていたので、精神的ダメージは無かったです。完全に崩されての失点ではなかったので、あまり気になりませんでした。とはいえ、またやられたくはないので、守備陣形の修正はしました。
―具体的にはどのように修正したのでしょうか?
小川:Yの字で守って中を締めていたんですけど外から打ってくるので、失点した後はYを広げて、後ろにいる相手プレーヤーにもプレッシャーを速くかけられるようにしました。それが効いたかどうかは分かりませんが…
小林:失点した後はセットプレーでは相手のチャンスはあまりなかったと思うので、結果的には、早い段階で守備が改善できていたということだと思います。
―試合は1-1のままPK戦に入りました。PK戦に向けては何か対策は立てたのでしょうか?
小川:フットサルは引っ張って打ってくる選手が多いと思っていたので、1本目、2本目はあえて引っ張って打たない方向に飛んでいたんですよ。それで油断させておいて、3本目には引っ張って打つ方向に動いたんですけど、それが当たりましたね。自分たちのチームは絶対に3人決めてくれると信じていたので、相手の3本目に懸けることが出来ました。
小林:当たったね。気持良かったね。
―先程からお二人の様子を拝見したりお話を伺っていると、本当に仲が良くて信頼し合っているんだなと感じます。
小林:そうですね。幼稚園、小学生から一緒にボールを蹴っている中なので、今回出場したチームの中で自分たちが1番「チーム」なんじゃないかなと思います。
―お二人にとってはこれが高校最後の大会となったわけですが、卒業後の進路を教えていただけますか。
小林:東洋大学のサッカー部です。
小川:自分は順天堂大学でフットサルをやります。
―小川選手はどういう所に魅力を感じてフットサルの道を選んだんでしょうか?
小川:自分は、止めるのと投げて繋がるのが好きなんですが、フットサルにはその好きな部分が凝縮されていて、キーパーの出番が多いので、そこが好きですね。
―将来的にはFリーグも考えていますか?
小川:やってみたいですけど、まず今はとにかく上手くなりたいですね。順天堂で早く試合に出られるように頑張りたいです。
―これから皆さんそれぞれの道に進まれるわけですが、それを前に、仲間たちが集まって優勝が出来て本当に良かったですね。
小林:この1年は選手権などで本当に悔しい思いばかりしてきたので、今回、高校時代最後の最後で勝ててとても嬉しいですし、この機会を与えてくれた監督にも感謝したいです。
小川選手、小林選手、ありがとうございました!U-18新潟県選抜の皆さん、優勝おめでとうござます!!