GAViC CUPユースフットサル選抜トーナメント2017優勝チーム『U-18新潟県選抜』インタビュー

【GAViC CUPユースフットサル選抜トーナメント2017】

3月28日~30日、墨田区総合体育館にて開催された「GAViC CUPユースフットサル選抜トーナメント2017」は、帝京長岡高校サッカー部を中心とする「U-18新潟県選抜」の優勝で幕を閉じた。新潟県選抜は大会二連覇、帝京長岡高校として出場した昨年夏の全日本ユース(U-18)フットサル大会も含めると、U-18フットサルの公式大会で新潟県勢が三回連続の優勝を果たした。

今大会の1次ラウンド(4チームによるグループリーグ)、U-18新潟県選抜は松山工業高校、宮城県選抜に圧勝、東京都選抜Aにも4-2で勝利し、余力を残しながらCグループ1位で2次ラウンドに進出した。そして迎えた準決勝、北海道選抜戦では今大会初めて先制を許し苦しむも、個々の高い適応力で接戦を制した。

フットサルの戦術や分析力で勝負するのではなく、試合中に相手のプレーを観ながら、都度、戦い方を判断するという新潟県選抜の選手たち。彼らは、今年もその独自のフットボール力を存分に発揮し、見事栄冠を手にした。

《1次ラウンド》
①U-18新潟県選抜 7-0 松山工業高校
②U-18新潟県選抜 6-1 U-18宮城県選抜
③U-18新潟県選抜 4-2 U-18東京都選抜A
《準決勝》
U-18新潟県選抜 3-2 U-18北海道選抜
《決勝》
U-18新潟県選抜 2-2(PK3-2) U-18東京都選抜A

大会公式サイト

昨年はコーチとして、今年は監督として大会に臨み、連覇達成という重責を果たした青木宗監督、キャプテンとしてチームを引っ張りながら得点王にも輝いた安井嶺芽選手、U-20フットサル日本代表候補であり、シュライカー大阪での活躍も期待される齋藤日向選手に大会を振り返っていただくと共に、新潟県の強さの秘密、今後の目標などを伺いました。

U-18新潟県選抜 青木宗監督

―優勝おめでとうございます。決勝は前回大会と同じカードになりましたが、いかがでしたか?
東京都選抜の指導者の方、フットボウズ(東京都選抜Aに6名)の指導者の方とは去年も(春のユースフットサル選抜トーナメント、夏の全日本ユースで)対戦しているので、「決勝でまた当たりましょう」という話をさせてもらっていました。決勝戦については自分たちの良さを発揮しながら、すごく気持ちを込めて戦えたのが良かったと思います。

―今回の新潟県選抜のチーム編成を教えていただけますか。
帝京長岡が登録10名、その他は長岡向陵、中越、敬和学園高校の4チーム編成で、主に出ていたのは帝京長岡の選手でした。

―今大会へ向けての取り組みを伺えますでしょうか。
皆それぞれ進路先の練習などがあり、事前に皆が集まっての練習はなかなかできなかったのですが、今大会の試合を通して徐々にチームが良くなっていったと思います。基本的には自分たちでその状況に応じて戦い方を判断していける力を持っている選手たちなので、(大会中は)指示というよりも、彼らと対話しながら進め方を決めていきました。大会を通して、選手たちの適応力の素晴らさを改めて感じました。

―全日本ユースU-15・U-18、そして今大会も新潟が獲りましたね。
去年のこの大会も勝たせてもらいましたし、全日本ユースU-18、U-15も新潟が獲っているので、チーム起ち上げの時に「新潟のフットサルがここで簡単に負けるわけにはいかないぞ」という話をしていました。
(昨夏の全日本ユースU-18の優勝チーム、帝京長岡高校の監督である)古沢からは「僕、夏、獲ってるんで」と言われていましたし、シュライカー大阪の佐藤亮は実の弟なんですが、弟からも「俺、リーグ取ってるから。兄ちゃん負けちゃだめだよ」と言われてプレッシャーを感じていたので、安堵です(笑)。(優勝することができて)嬉しいというよりも安心しましたね。

―試合を観ていて新潟のフットサルはレベルが高いなと思いますが、その下地はどのようにして築かれてきたのでしょうか?
やはり長岡JYFCの存在が大きいと思います。他のチームも全国大会で活躍していますが、長岡JYFCはそれをリードする存在になっています。そこに競争原理が働いて、全体の質が向上しているんだと思います。あとは、雪が降る土地なので、冬場は体育館でトレーニングするのが要因だと思います。でも、新潟では、残念ながらU-18カテゴリーでフットサル専門のチームはないので、そういう面では他の地域と比べてすごく遅れているなと感じてはいます。

―サッカー部でありながらフットサル大会にも参加されている目的、意義などはどのように考えていらっしゃいますか。
まず、私自身はサッカーとフットサルは違う種目だと思っています。ですから、今回はフットサル大会ですがフットサルをやりに来ているということではなく、自分たちが積み上げてきた技術をこのピッチの中で活かすという考えで参加しています。
あとは、(シュライカー大阪に入団する)齋藤日向が良い例ですが、こういうフットサル大会の場で活躍することで進路先が拓けるということがあると思います。

6番 安井嶺芽選手

―優勝おめでとうございます。賀川浩賞(得点王)も獲りましたね。
ありがとうございます。貪欲に行きました。

―夏と春、二連覇を達成しました。勝因は何だと思いますか?
チームの仲がいいことです。今回は選抜ということで寄せ集めだったんですが、本当にみんな仲良くやれていたのでそれが勝利に繋がったと思います。

―昨夏の全日本ユース(U-18)フットサル大会で全国制覇をしてからこれまでの間、フットサルについてはどのような取り組みをしてきましたか?
フットサルをやる環境はなかったんですが、多摩大学(フットサル部)への進学が決まってからはフットサルの試合を、ドリブルの仕方やブロックの仕方、フットサルの動きをイメージしながら観るようにしていました。

―決勝戦の前にはチームでどのような話をしましたか?
試合前には勝とうということしか言っていなかったのですが、試合中やハーフタイム中には(齋藤)日向くんから細かい指示が少しありました。

―決勝戦の相手、東京都選抜Aのメンバーはフットサルを専門にやっている選手たちですが、対戦してみてどのように感じましたか?
東京都選抜の2セット目(6番 茶碗谷選手、11番 南雲選手、13番 村上選手、15番 鈴木選手)の走り方、スペースに抜ける動きだったり一拍タイミングを置いて前に関わってくる動きだったりが自分たちにはない部分で、そこは最後まで対応しきれなかったです。

―自分たちが勝っていたと思う部分は?
足もとの技術です。

―今大会、個人として出来たと思うところを教えて下さい。
やれていると思ったのは、キックのところだけですね。味方の裏への動きを観ておいてパスを出すところは相手と同じくらいのレベルにはあったかなと思います。でも、体力面がまだ全然だめなのと、もう少しフットサルの勉強をしないと相手の攻撃に対応できないなと思いました。

―印象に残った選手はいますか?
(東京都選抜Aの11番)南雲くんは巧いですね。南雲くんはドリブルが巧くて、前に運ぶ持ち方ができるのですごいなと思いました。

―安井選手はその南雲選手と同じく多摩大学フットサル部に入部するとのことですが、どういう理由で多摩大学を選んだのでしょうか?
フットサル指導者として有名な福角監督の下でやってみたいと思ったからです。

―今後の目標を教えてください。
大学で日本一です。多摩大には健太郎くん(帝京長岡の先輩の石田健太郎選手/多摩大学・バルドラール浦安)もいるので一緒に頑張っていきたいです。

4番 齋藤日向選手

―夏の全日本ユースと合わせて連覇となりました。夏と比べて今大会はどうでしたか?
夏の時は何も知らないでフットサルをやっていたんですが、今回は大会に臨む前に自分で大阪に行って1か月半くらい(シュライカー大阪の)練習に参加して学んだことが多かったので、少しはそれを出せたかなと思います。

―シュライカー大阪に入団しようと思った理由を教えて下さい。
帝京長岡の先輩、佐藤亮さんの下でやりたいというのと、大阪は外国人選手のレベルやチーム全体のレベルも高いですし、木暮監督は日本代表の監督もされていたので、そういう環境の中でもまれたいと思って決めました。

―すでに大阪に拠点を置いているのですか?
はい、寮に住んで、朝はトップ、夜はサテライトの練習に参加しています。

―新潟を離れて大阪で生活をする、シュライカー大阪に入団するというのは大きな決断だったかと思いますが、迷いはありませんでしたか?
学校の先生からは大学に行かないのはリスクがあるという話もされていたんですが、4年後に同じチャンスが来るかと言ったらその保証はないので、自分としては今やれる時にやった方がいいと思って決断しました。それでもしだめでも、成長できること、得られるものがあると思っているので。それと、親が「自分が好きなようにやればいい」と言ってくれて自由な選択肢を与えてくれたのが一番大きいと思います。

―木暮監督の指導を受けてどのように感じていますか?
考えてフットサルすることが毎日の習慣で、考えてやらないとできないトレーニングが多いので、高いレベルの中でやれているなと思います。それに、外国人選手や日本代表のノブさん(小曽戸允哉選手)と一緒にやれているので、吸収するものが多いです。

―今、プレー面で出来ている部分、足りない部分は?
パスの部分はパススピードを意識してあげて通るようになってきていると思います。でも、自分は1対1で抜いてシュートというのが得意ではなくて、いろいろな人からもっと仕掛けた方がいいと言われているので、そこはまだまだだと思います。

―今後の目標を教えて下さい。
チームで試合に出られるようになることと、U-20の日本代表に選ばれることです。そして、将来はA代表に選ばれたいです。

青木監督、安井選手、齋藤選手、ありがとうございました。

U-18新潟県選抜の皆さん、優勝おめでとうございます!新たなステージでの活躍を期待しています!!

2017年4月1日 | カテゴリー :