先日、愛知県選抜の優勝で幕を閉じたユース選抜フットサルトーナメント全国大会2015。日本フットサル連盟主催のこの大会には、同連盟の小倉純二会長も会場に足を運び、育成年代の巧みなテクニックと白熱する試合展開を大いに楽しみながら観戦していた。FIFA功労賞を受賞し、日本のフットボール界の発展に大きく寄与してきた小倉会長に、大会の印象と日本フットサル界の今後についてお話をうかがった。
「観ていてとても面白いです。戦術や技術レベルが高く、昨年と比べて高校生年代のフットサルのレベルが向上していると感じます。墨田の体育館には多くの観客席もあるのでもっと多くの方々に見てほしいですね。フットサル日本代表はアジア大会の連覇をしていますが、その後の代が続いてきていないと感じていました。しかし、今日の試合を観ていると可能性を感じます。これまでフットサルの高校生年代の全国規模の大会はなかなかできていなかったので、今回の大会のようなチャンスができているのは本当に嬉しいことです。今度は女子のほうにも力を入れていきたいですね。今度のトリムカップ(3月27日に宮城県で開催された)にも女子高校生が出場する予定で、女子も全国規模の大会を経験できる機会を得られるようになってきています。
今までも日本のフットボール界全体においてフットサルの重要性は問われてきました。ジーコ氏が日本に来て鹿島アントラーズに深く関わるようになりましたが、ジーコ氏は『まず、フットサルをやれ』と言っていました。ブラジルでは11、12歳まではサッカーではなくフットサルをメインに活動しており、フットサルの方が人数やコートも規模が小さく、育成年代の技術向上に非常に有効なはずなので、日本でももっとフットサルが普及していくといいですね」
【小倉 純二氏プロフィール】
1938生まれ。Jリーグの発足に向けての制度設計と基盤整備に尽力し、2002FIFAワールドカップの招致の成功にも大きく貢献、JFAの専務理事、副会長、会長時代を通じて世界のサッカー界での日本の地位向上に寄与した。2002FIFAワールドカップでは日本組織委員会事務総長代理とトーナメントダイレクターを務め大会を成功に導き、日本の運営能力の高さを世界に証明した。また、日本人3人目のFIFA理事として、9年にわたってFIFAをはじめとする世界各国の協会とのパイプ役を務め、日本サッカーの国際化を推し進め、その活動が世界の信頼を得てFIFA功労賞を受賞した。2013年には旭日中綬章を受章。公益財団法人日本サッカー協会 名誉会長。一般財団法人日本フットサル連盟会長。(一般財団法人日本フットサル連盟オフィシャルサイトより)