8月20日~23日に宮城県仙台市で開催された『第2回全日本ユース(U-18)フットサル大会』の視察に訪れた、U-18フットサル日本代表 小森隆弘監督に、大会の感想や育成年代のフットサルのレベルアップのために必要なこと等を伺った。
―今大会、小森監督は予選からずっと試合を観られていたかと思いますが、試合内容に関してどういう感想を持たれましたか?
二つタイプがあって、試合を重ねながら都度セットしてきているところと、事前にフットサルの準備、研究をしてきているところとがありました。準々決勝、準決勝と進むにつれて、試合がどんどんフットサル化してきて、最後の作陽高校などはサッカー感覚をフットサルに転化している、サッカーの良さを残したフットサルをしていましたね。
去年の決勝は、サッカーのミニゲームのままやってきた聖和学園と完全にフットサルのやり方、特にセットプレーの仕方とか細かいところで勝負した名古屋オーシャンズでした。それが今年の決勝はサッカー部同士だったにも関わらず、本当のフットサルの大会の決勝という印象を受けました。それはすごく感動的でしたし、嬉しかったですね。多分ですが、フットサルに興味を持ってくれそうな優秀なタレントが相当いるなと感じました。初めは膨大なリストの中からU-18代表候補を絞るのが大変だなと思って悩みに悩んでいましたが、ベスト8、4と進むにつれ、だんだんフォーカスが合ってきましたね。選手を見つけるという意味だけではなく、この年代の取り組みが今こういう段階なんだなというのが把握できたし、試合毎にどうパフォーマンスが変わるのかというのも何となく見えました。あとは、異質なエスパッソみたいなチームも面白かったですね。中学生も出ていましたからね。ああいうチームがこれから力をつけて、来年も再来年もやっていくと考えると楽しみですね。全体的に、大会2年目にしてはすごく進展の速いレベルアップで、嬉しいサプライズだらけでした。
―この大会が出来たことで、サッカー部がフットサルに取り組む度合いがだいぶ変わったようですね。
僕は予選の雰囲気を見てそのように想像していましたけど、やはり現実にそうなってきたんですね。
あと一つ気づいたのは、フットサルの知識をきちんと持った指導者がいらっしゃるのといらっしゃらないのとでは全然違うなというのはありますね。この年代以降はフットサルの対策の面で専門的な部分が出やすい、理解力とかフィジカルも含め専門的知識で違いを見せやすい。にも関わらず、それを知らないで普通にサッカーの延長でやってしまうと、チームの仕上がりや戦い方が変わってしまうなというのが今大会でも顕著でした。優秀な個を持って何とか対応したとしても、結局最後はその準備の違いが結果として出てしまうと思います。優勝した作陽は、釧路北陽との決勝でも圧倒的に試合を支配していましたし、点を取る時の形、持っていき方もフットサルに取り組んできたなというのが見て取れました。
(今後、この年代のフットサルを更にレベルアップさせるためには)フットサルの情報の普及というのが必要なんだろうなと思いましたね。まず大会が出来ました。次はフットサルはどうやって戦うものか、どういうスポーツかということを、もう少しこの年代の人たちに普及させることが必要なんだろうなと思いました。この大会はインパクトのある、転換期の狼煙を上げる大会だと思います。
―U-18フットサル日本代表の選考、活動について教えて下さい。
特にサッカー部の選手に関しては(フットサルをやることについて本人の意思の問題もあり)オートマチックに呼べるものではないので、誰を呼ぶということについてはまだ何とも言えませんが、まずは9月に1回目の活動を行う予定です。