第4回全日本ユース(U-18)フットサル大会優勝『矢板中央高等学校』インタビュー

『第4回全日本ユース(U-18)フットサル大会』は、8月17日(木)~20日(日)、宮城県仙台市のゼビオアリーナ/カメイアリーナ(仙台市体育館)にて開催され、矢板中央高等学校(関東地域第1代表/栃木県)が決勝戦で新潟県立長岡向陵高等学校(北信越地域第2代表/新潟県)を3-1で下し、初出場にして高校生年代のフットサル日本一に輝いた。

今大会の矢板中央高校はサッカー部の2年生を中心としたチームで、フットサル経験者がほぼいない中、激戦区である関東を制し、全国への切符を手にした。
そして迎えた全国大会。1日目・2日目に行われた1次ラウンド(予選グループリーグ)では、日南学園に6-6の引き分け、北星学園にも4-3で辛勝するなど苦戦を強いられたが、進んだ決勝ラウンドでは持ち前のパワフルな攻撃力を遺憾なく発揮し、新潟県立長岡向陵高等学校と共に決勝の舞台に立った。
決勝戦では、矢板中央高校が序盤から仕掛けるも、長岡向陵高校の懸命な守りに阻まれ得点には至らず、両チームスコアレスの状態が続く。その均衡を破ったのは、ここまでの試合で16得点を挙げていた矢板中央、15番 大塚尋斗だった。大塚は前半終了間際、右サイドから技ありのトゥーキックで先制ゴールを決め、チームに勢いをもたらす。更に、後半30分に鮮烈なボレーシュートを決めると、その直後にもリバウンドを押し込みハットトリック。その後、長岡向陵が1点返すも、矢板中央は堅守で長岡向陵に追加点を許さず、見事、第4回大会の覇者となった。

大会公式サイト(結果・チーム紹介等)

優勝『矢板中央高等学校』=ゼビオアリーナ仙台

栃木県予選から関東大会、全国大会と、フットサルの試合を経験する毎に成長していく選手たちを見守り、信じ、優勝まで導いた君嶋渡紀子監督、フットサルのゴレイロ経験がないことを感じさせない果敢なセービングで、勝利に大きく貢献したGK 吉沢亮選手(No.1)、そして、全6試合で大会新記録となる19得点を挙げ、他チームからも「モンスター」「別次元」と評される程の力を見せつけた大塚尋斗選手(No.15)に大会を振り返っていただくと共に、今後の目標などを伺った。

君嶋 渡紀子監督

―優勝おめでとうございます!

ありがとうございます。県予選から関東、全国と、試合をやりながらフットサルを練習してきたようなかたちでしたので、まさかここまで来られるとは。子どもたちが本当によくやってくれました。

―まず初めに、矢板中央高校サッカー部が今回フットサル大会に参加した理由を教えていただけますでしょうか。

サッカー部には部員が160人いて、そのうちトップチームに入れない子が130人程度いるので、監督が「トップ以外の子にもチャンスを」ということで、栃木県予選に参加することにしました。当初は関東大会出場を目標にしていて、正直、全国大会までは考えていませんでした。

―当初目標にしていた関東大会では危なげなく勝利し、関東地域第1代表として今大会に出場することになったわけですが、この4日間を振り返っていかがですか?1次ラウンドも含め、印象に残っている試合、難しかった試合はありますか?

1次ラウンドの日南学園戦が一番辛かったです。(大会1日目の)1試合目(メッセ天下茶屋FC U-18戦・11:00キックオフ)が終わって2試合目(日南学園高校戦・19:00キックオフ)までかなり時間があったんですが、そういう経験もあまりなかったので、調整が上手くいかなかったですね。4番の稲見(3年・サッカー部キャプテン)だけは動いていましたが、他の主力の子どもたちは足が止まってしまっていたかなと思います。(結果:矢板中央 6-6 日南学園)
他には、同じく1次ラウンドの北星学園大学附属高校さんとの試合も辛かったです。北海道のチームは普段からインドアでプレーをしているということを聞いていたので足元が強いだろうと警戒していました。子どもたちには、負けたら(点数次第では)決勝ラウンドに行けない、引き分けか勝ちしかないよという話をしていました。子どもたちが持っているものを出せれば勝つ力は十分にあると思っていましたので、自分たちを信じようという話をして、結果、何とか勝つことができました。(矢板中央 4-3 北星学園附属)

―そして、進んだ準々決勝では柳学園に11-4で勝利。続く準決勝はフウガドールすみだファルコンズとの対戦となましたが、フットサルチーム特有のプレーに対しての戸惑いなどはありませんでしたか?

関東大会の時にロンドリーナさんとの対戦でパワープレーも経験していましたし、子どもたちが増子コーチ(今大会のために依頼したフットサルの外部コーチ)の指示をすぐに理解して正確に動いていたので対応できたかと思います。

―決勝戦は長岡向陵高校との対戦となりましたが、対戦されてみていかがでしたか?

上手かったですね。向陵さんは選手が7人しかいなかったですが、もし12人で来られていたら負けていたかもしれないと思います。7人だから疲れが出るかなと思っていたんですが、うちの脚の強いチームにずっと付いてきていたので驚きました。

―フットサル経験がほとんどないにも関わらず優勝することができた要因は何だと思われますか?

子どもたちは普段から、監督やスタッフの下、すごい走り込みをしていますし、大変な練習をこなしてきているので、フットサルに切り替えても問題がありませんでした。サッカー部のきつい練習についてきた子たちなので、技術的、体力的な心配は一切していなかったです。ただ、雰囲気に飲まれてしまうことだけが心配だったので、そこは気を付けてサポートするようにしました。
子どもたちが今回の経験をサッカーの方でも活かして、選手権予選に繋げていってくれるといいなと思っています。

1番 吉沢 亮選手(GK)・15番 大塚 尋斗選手(FP)

―優勝おめでとうございます!初出場でフットサル日本一になりましたが、どんな気持ちですか?

吉沢:嬉しいの一言です。
大塚:MVPも獲れたし、点もたくさん取れたので、とても嬉しいです。

―今大会の1次ラウンドから決勝ラウンドを通して、一番印象に残っている試合を教えて下さい。

吉沢:1次ラウンドの日南(学園高校)戦です。一番手こずって負けそうにもなったんですが、きつい中を何とか引き分けという形で乗り越えたことが今日に繋がったと思います。
大塚:自分も日南戦が一番きつかったです。(大会1日目の)2試合目ということもあって、みんな足も止まっていましたし守備も全然できていませんでしたが、何とか守って点を取って、とにかく負けないようにと全員で頑張った結果、引き分けで終わることができました。

―準決勝は、フットサルチームのフウガドールすみだファルコンズでした。前半から矢板中央が大きくリードする形となり、最終的には7-3で勝利しましたが、勝因はどんなところにあると思いますか?

吉沢:フウガドールはフットサルで全国でも上位のチームですし、フットサル独特の動きがあるのできつい試合になると思っていたんですが、全員でゴールを守って全員でゴールに決めに行くというかたちでやりました。みんなすごく気合いが入っていて、負けらないという気持ちが強かったので、いい試合ができたと思います。
大塚:まず、走り負けしなかったことと、シュートの本数も自分たちの方がだいぶ多くて決定機もしっかり決め切れたので、前半で5-0にすることができました。後半はきつい時間帯があったんですが、みんなで乗り越えて勝利することができました。

―決勝戦の相手は新潟県立長岡向陵高校。矢板中央の選手が12名なのに対して長岡向陵は7名ということで、試合前は、矢板中央がかなり優位と予想していましたが、実際にはあまり点が動かない展開となりました。試合を振り返ってみていかがですか?

吉沢:決勝という舞台で、緊張のために体が硬くなってしまったのと、相手も負けたくないという気持ちが強くて、最後まで気が抜けない試合いなりました。4日間の連戦で疲れがたまった状態で集中を維持するのが大変でしたが、勝ち切れて良かったです。
大塚:決勝戦はつらくなると予想はしていたんですが、その通りの展開になりました。前半は全然点が入らなくて、守備もみんな頑張ってはいたんですが、崩されてしまう場面もありました。でも、前半のうちに自分が1点取れたことで余裕が出て良かったと思います。後半は失点を少なくして攻撃にどんどん行こうとコーチから言われたので、そこはしっかり徹底して、守備から入って点を取れたので良かったです。

吉沢選手はこれまでフットサルのキーパー経験はなかったということですが、素晴らしいセーブでしたね。

吉沢:もともと1対1とか近場のセーブが得意な方なので、それをフットサルに活かすことが出来て良かったです。

―大塚選手は中学時代にも全日本ユース(U-15)フットサル大会の全国大会を経験し、U-18では全国大会優勝。更にMVPも獲得し、フットサル関係者の方々からも注目されているかと思います。フットサルも年代別でU-20の日本代表がありますが、挑戦してみたいという気持ちはありますか?

大塚:はい、チャンスがあれば是非行きたいと思います。

―今回フットサルの試合をしてみて、どんなところがサッカーと違うと感じましたか?

吉沢:サッカーとは少し違った球技で、切り替えのスポーツだと思いました。慣れない中、こういう大会に出られてとてもいい経験になりました。
大塚:フットサルは切り替えを速くして、サッカーよりもたくさん点が取れるところが楽しいと思いました。

―お二人はまだ2年生ということで、高校のサッカー部としての活動も続きますが、サッカーの方での目標を教えていただけますか。

吉沢:自分はサッカーの方ではまだ全然活躍できていないので、練習を積み重ねて、早くAチームで活躍できるように頑張りたいと思います。
大塚:冬、(全国高校サッカー)選手権に出て上位に行けるように頑張りたいです。

―最後に、今大会に参加しての感想をお願いします。

吉沢:素晴らしい会場で試合ができて、優勝という結果も残すことができて本当に良かったです。
大塚:こいういう舞台に立てたのは、スタッフや家族のおかげだと思います。本当に感謝しています。これからもサッカー、フットサルを続けて、またこういう舞台に立てるように頑張りたいと思います。

君嶋監督、吉沢選手、大塚選手、ありがとうございました!
矢板中央高等学校の皆さん、優勝おめでとうございます!!

元フットサルスペイン代表アンドレウ・リナレスを招いた合宿プログラム☆講師へのインタビュー☆

LEGRO×R project~本物に触れ、一歩踏み出す~

『スぺインフットサル代表アンドレウ・リナレスを招いた一泊二日の合宿プログラム』

☆講師へのインタビュー☆


2016年5月28日~29日元スぺインフットサル代表アンドレウ・リナレスを招いての中高生対象の合宿イベントが開催された。

この合宿プログラムの講師であり、フットサルワールドカップ優勝を経験した元スペイン代表 アンドレウ・リナレス氏、そして、通訳として本合宿に帯同し、スペインリーグでプレーし続ける山下裕生氏にインタビューを行い、「フットサル本場スペインのフットサルマインドとはいかなるものなのか」「彼らこの合宿プログラムでどんなことを伝えたかったのか」などを伺った。

合宿スケジュール(内容)についてはこちら

レグロ合宿1

二日目トレーニング後の全体集合写真

合宿風景

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トレーニング模様

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指導を行うアンドレウ・リナレス氏、通訳 山下裕生氏

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スペインフットサル、生き方を学ぶ「LIFE TRAVEL講義(キャリア教育)」の風景

スタッフ写真 (アンドレウ・リナレス、山下裕生、LEGROスタッフ、アニージョ監督保田さん)

スタッフ写真
(アンドレウ・リナレス氏、山下裕生氏、LEGROスタッフ、R projectスタッフ、アニージョ 安田監督)

【講師:アンドレウ・リナレス氏のインタビュー】

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左:山下裕生氏、右:アンドレウ・リナレス氏

―合宿お疲れ様でした。

アンドレウ ありがとうございます。

―今回の合宿の感想をお願いします。

アンドレウ 上手くなりたいという意欲が子供たちに見れたし、個人が持ち合わせているタレント性や個性というものに私自身驚かされました。

―今回の合宿での目標や目的を教えてください。

アンドレウ まずは、選手たちがより成長できる場にすることです。スペインで我々が実際にやっている練習内容、メソッドを伝え、選手たちの更なる成長に繋げることが目的になります。同時に、昨日夜のキャリア講習会では、私の成功(体験)は、競争心や闘争心を持つことにある、と伝えたかったです。

―「スペイン」の技術、考えといったものは、具体的に言うとどのようなものなのでしょうか。

アンドレウ 試合中の戦術的なポジショニングといった細かい部分は、スペインは洗練されていると思います。また、サインプレーなどの止まった場面でのプレーには重点を置いています。具体的に言うならば、スペインのフットサルはとても「緻密に考えていく」スポーツだと思います。今回の合宿では、その競技的な緻密さはもちろん伝えましたが、スペイン特有の切り替えの早さ、もっと言うならば、くよくよしない楽観さといった気持ちの面での切り替えも行動も示しつつ伝えることができたと思います。

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合宿MVP 高村陽平選手(千葉県アニージョ所属、千葉県選抜)

―合宿MVPにアニージョの高村陽平選手を選びましたが、その理由を教えて下さい。

アンドレウ まず、彼を見た時に、「スペイン人」に繋がるようなプレーの仕方をしていると感じました。知性が感じられるプレーも多かったです。選手のタレント性や個性というものは重要視されるべきではありますが、それが頭によって使われていなければ成り立たないわけです。彼のプレー中の決断力や判断力という面を見ても、彼は判断をほぼ間違わずに正解を導き出すことができていたと思います。

―その考えや正解というものは後天的に身に付けることは可能でしょうか。

アンドレウ はい、もちろんできます。初日の練習では、まずは知性や習慣といった部分の修正を行いました。知性とは、頭を使ったプレーです。二日目には、さらに修正を加えて、頭を使うプレーができていたと思います。日本人はとても規律よく練習できている特徴があります。私が監督、講師として日本人を指導した際、一度メニューを説明しただけで内容を汲み取って、体現できるのは素晴らしいです。そういった面でどんどん(頭を使う)新しいメニューをこなしいくことができれば、こなした分だけ幅のある応用の利いた練習もできるようになると思います。そして、結果的に、後天的に「頭を使うプレー」、「考える力」は身に付けることができるはずです。

―今後、スペインと日本の関係性はどのようなものにしたいと思いますか。

アンドレウ ここ数年、来日していることもありますが、今後も私なりの考えを伝えていきたいと思います。将来的に、私は日本で指導者として何かしらできたいいなと思います。私のスペインでのチーム、トレドのように下部組織がしっかりと自立しているクラブに自分の考えを伝えていきたいです。日本でもトレドのようなクラブを増やしていきたいと思います。

【通訳:山下裕生氏へのインタビュー】S__43638818

―合宿、お疲れ様でした。感想をお願いします。

山下 お疲れ様です。アンドレウが言っていましたが、子供たちが意欲的に取り組んでくれたことは、(講師の)こちら側としても有り難いなと思いました。今回の合宿のように二日、三日と通しでやることで、密度の濃いトレーニングができたなと思いました。

―今回の合宿での目標や目的を教えてください。

山下 自分の目的は、いかに「スペインの考え」を伝えていけるかだと思います。また、子供たちには、私のような(スペインで選手をしている)人がいて、アンドレウのようなレジェンド選手がいるんだと知ってもらい、より見聞を広めてもらって、将来に繋がる何かを見つけるきっかけになって欲しいなと思います。

―今後、スペインと日本の関係性はどのようなものにしたいと思いますか。

山下 元になってしまうのですが、ミゲル・ロドリゴ監督がワールドカップ予選での敗退を受け、退任することとなりました。ミゲル監督の退任というのは、彼が行ってきた7年間にも及ぶ日本でのフットサルの普及活動にも終止符が打たれたわけでもあります。彼がいたからこそ、日本の競技レベルや指導者ライセンスといった面は急速に発展したわけです。その流れを汲むためには、ブラジル人など他の外国の監督ではなく、ミゲルではないにしろ、スペイン人の代表監督を続けてほしいと思います。スペイン人の代表監督がいるからこそ、日本とスペインの関係性が密になると思います。

インタビューにご協力いただきありがとうございました。

 

◆お問い合わせ◆

この合宿イベントの運営団体であるLEGRO Incでは、『ITとスポーツを通じて人々の成長機会と笑顔を創り出す』をミッションとし、海外留学やフットサル推進などの事業を行っています。

「スペインへの個人留学やチーム遠征」にご興味のある方は下記までご連絡ください。

担当:LEGRO 佐々木

電話番号:080-4349-5519

E-mail:sasaki.koki@legro.co.jp

小森隆弘U-19フットサル日本代表監督&小西鉄平JFAフットサルテクニカルダイレクターインタビュー

2016年1月5日、小平市民総合体育館で開催された『FC東京フットサル交流戦』を視察した、U-19フットサル日本代表監督の小森隆弘氏とJFAフットサルテクニカルダイレクターの小西鉄平氏に、日本における「フットサルの普及」「フットボールの未来」、「U-19フットサル日本代表」等についてお話を伺った。


P1220315 (2)―まず初めに、本日、U-12年代のフットサル交流戦の視察をされた理由を教えていただけますでしょうか。

小西 FリーグとJリーグのチームが交流する機会はまだまだ珍しいことなので、どういった交流をしているのかなというのを観に来ました。

小森 サッカー協会だとか連盟ではなく、Jリーグのクラブがイニシアチブを取って有名チームを集めて交流戦が開催されるというのはすごくインパクトがあるし期待感があって、この後また続いて行けば、これまで長年期待していた「フットサルのベースカテゴリーへの普及」のきっかけになるんじゃないかな、その記念すべき1回目なのかなということで観に来ました。

―観戦されての感想をお伺いますでしょうか。

小西 「フットサルをやっているな」という匂いをすごく感じることができました。自分たちがセットしてプレーすることを意識してやっていることとかゴール前のセカンドポストを使ったプレーとか、サッカーだけやっているんだとそういう発想はないだろうなという所は随所に見られたので、フットサルが少しずつ普及してきていて、いい方向に働いているんじゃないかなという印象は受けます。

小森 ゲームを観ていると、どのチームもフットサルに目を向けてトレーニングされているんだなというのを感じます。フットサルとしてやろうとしている雰囲気が全体としてあるのは嬉しく感じましたね。細かい所はこの年代で問う所ではないと思いますが、フットサルとして、フットサルの特性で、フットサルの状況で相手に打ち勝つために、選手も指導者も思考して取り組んでいるんだなというのが見えたので嬉しかったですね。

―取材等を通して、この年代にかなりフットサルが普及してきていることを感じますが、更に普及させていくためにはどういう取り組みが必要だと思われますか?

小森 これまで何年もいろんな方がいろんな地域でいろんな角度から普及活動をしてきている中でこの現状があるわけなので、一網打尽に状況が打開できるものは無いのかなとは思っています。ですが、その中でも、こういうJクラブのチームがフットボールとしてフットサルを捉えて、一つの機会提供にもなる、尚且つサッカーにも活きていく可能性もあるというチャンスを感じ取って取り組んでいるというのが一つの概念として広まって、これがフックになって、地域にある有力なサッカークラブがその風潮に乗っていってくれれば普及加速のチャンスになるのではないかという期待感はあります。

P1230155―育成年代にフットサルがより普及していった場合、フットボール界にどういう影響を与えると思われますか?

小西 サッカーとフットサルは別の競技なので最終的には別々の道を進むということには変わりはないと思いますがJクラブ、Fクラブ共に下部組織が出来ていって交流することで、フットボールとしての枠が広がって、そこを目指す、やっている方たちが増えて、それを教える指導者もどんどん増えてくるということがこれからの未来になると思うんですね。人数が増えていけば自ずと競技性、普及性も強く出て来るので、まずはしっかりと人数を増やしていく意味ではこういう交流はいいきっかけだと思いますし、これから未来が生まれるんだろうなということは感じますね。そのためにも、指導者、大人の人たちがちゃんと正しくフットサル、サッカーをより理解していくことが必要だと思います。フットサルの人たちがサッカーをやっている人たちに対して「フットサルの何が良くて、何がサッカーに活きて、こういう所を一緒にやるとフットボーラーとしての質が上がるんです」ということをより明確に伝えられるようになることが今後最も大事なことになるのではないかと思います。タッチ数が多いからとか決断の回数が多いからというものじゃなくて、もっと具体的に。スペースがどうだとか体の向きがどうだとか、そういうものがサッカーの試合の中で実際にどう影響しているかというのを紐解いていくということが今後もっともっと必要になると思います。そうでないと、サッカーの指導者の人たちが本当の理解をしてくれないですし、ミニサッカーでいいじゃないかと思われてしまうと思います。

―フットボールという大きな枠のお話をいただきましたが、フットサル単独としてのビジョンもお聞かせいただけますか。

小西 もちろんフットサルがフットボールという大きな枠から出ることは絶対にないので、僕個人の意見としては、フットサルがサッカーを超すことはできないと思うんですね。人数もそうですし、人気もそうですし、いろんな面において。でも、フットサルが持っている「狭い局面でする競技」「よりロジカルにプレーする競技」といった特性や「観客と距離が近くてお客さんが熱を感じやすい環境」といった室内競技の良さがもっともっと理解されていけば、フットサルとしてのラインがもっと明確に出来て、U-12からフットサルをやる、U-15で続けていく、U-18でより精査していく、更にその上でFリーグのトップチームにしっかりといい選手が輩出される、そして、代表チームとしても男女それぞれにワールドカップでちゃんと結果が出る。これが継続していくということがフットサルの今後の大きなビジョンじゃないかと思います。

―ここからは、U-19フットサル日本代表の小森監督にお話伺います。昨年12月に行われた2回目のU-18フットサル日本代表候補トレーニングキャンプは、1回目のキャンプから練習内容を変えたと伺いましたが。

小森 基本的にやった内容を大きく変えたということではなかったんですが、来年の本大会に向けた予選が今年あるということを目していった時に、許されている時間、状況というものが当初予定していたものとは少し違ってきたので、それに応じた軌道修正をしました。初めての選手も呼んでいるということではあったものの、ある程度踏み込んだ所まで進める必要があるということで調整をしました。特徴的な所では、セットプレーに何度も取り組み、フィジカルトレーニングをやらずにその分フットサルのゲームの流れを理解してもらえるアクションとセットプレーという所に注力しました。

―人選のポイントについて教えてください。

小森 今回に関しては、フットサルに精通しているタレントを軸に、尚且つそれにもっとスケール感を与えてくれるサッカーからのタレントをミックスできるように選びました。三分の一がサッカーチーム所属の選手。そして、三分の二がフットサル専門で取り組んでいる選手、更にその中の半分は前回も招集した選手でした。

P1060719―今年の夏もU-18の全日本ユースが開催されますが、そこからまた新たに候補を選ぶ可能性はありますか?

小森 物理的にはタレントがいればいつも門戸は開いているというのは前提にあります。今年はU-18の全日本ユースだけではなく、大学選手権も観に行きたいと思っています。今年はU-19として活動することになるので、(2016年4月からの)大学1年生と大学2年生の早生まれまで入ってきますので、その辺りはしっかり見たいと思っています。しかし、これまで僅か3日間×2回ではありますが、トレーニングキャンプを行ってきている中で、ある程度ベースを持ったメンバーがいることが分かっていますので、その人たちを軸にするということは変わらないと思っています。そこに割って入るには、それ相応のフットサルのベースをしっかり持ってチームの枠組みを作っていけるタレントか、サッカー専門でやってきているけれどもよっぽど早くフットサルのゲーム感を吸収しつつスケール大きく、また違う側面をチームに与えてくれるタレントでなければ、そのリストに入っていくのは難しいだろうなと思っています。今いるメンバーは優秀だと思いますので。

―今年のトレーニングキャンプは12月に行われる予選の直前に行われる1回のみとのことですので、そのキャンプに選ばれた選手=予選に出場する選手ということになりますね。

小森 そうですね。ただ、予選に出たところで、それでチームが完成で本大会もそのメンバーでということでもないですし、ましてや予選大会に選ばれた選手にとっても選ばれなかった選手にとってもそこがゴールではなく、ずっと続いていくものだと思っています。P1080662


U-19(AFC U-20フットサル選手権2017)フットサル日本代表は、今年 、11月26日~30日にトレーニングキャンプを行い、12月1日~11日に開催される『AFC U-20フットサル選手権2017予選』に出場する。

2016年1月8日 | カテゴリー :

U-18フットサル日本代表 小森隆弘監督「自分の個性を光らせながらチームの良いメンバーになれるか」

初日のトレーニングを終えて:

―まずは初日を終えられての感想をお願いします。

皆、思ったより緊張しないで出来たんではないかと思います。

―フットサルをやっている選手とやっていない選手がはっきりしたように感じましたが。

そうですね。ただ、その辺は呼ぶ段階から分かっていたので、練習前のミーティングでも「そこは心配しなくていいから。3日間のうちに出来るようにもなるとも思っていないし、出来る出来ないで代表に選ばれる選ばれないが決まるわけでもない」というようなことは伝えました。P1080662

―代表選考にあたっては、何が一番重要なポイントになってくるのでしょうか?

A代表で言っていることとあまり変わらないんですが、「自分の個性をしっかり光らせながら、チームにそれを生かせる」ということです。生かせるというのは我儘に生かすのではなくピースとして貢献出来るか、必要最低限のベースのことをやりながら自分の個をしっかりといろんな場面で出せてチームの良いメンバーになれるか、ということが重要ですね。言葉は悪いですけど、極論を言うと「チームのために死ねる」というようなマインドになれる選手の方が最後には絶対に力を発揮すると思うんです。そういう選手がそういう位置に収まっていくべきだと僕は思っています。ですから、一番の基準は、タレント有りきでチームスポーツとして力を発揮できるかをしっかり見たいですね。プレーに関しては、皆がそれぞれのものを磨いて光らせれば通用するものになると分かっているので、そこだけじゃないよ、という話を選手たちにはしました。

2日目のトレーニングを終えて:

P1090970情報過多にならないように取捨選択をして、様子を見ながらやりました。いろんなテーマのオプション、メニューのオプションを持ちながら様子を見て、これは厳しいだろうなとかもう少し行けるだろうなとかを調整しています。手探りの状態ですが、今日の感じだと、その調整は上手くいっているのかなと。集中してフォーカスが絞れた状態で、飽きもせずトライしながらテーマ感を持って取り組めている状況です。

このキャンプで何かの概念を勝ち取りましたというよりも、ここをきっかけに、そういうのがあったなと思いながら、いわゆる「間の学び」をしていって欲しいです。このキャンプでやったことを間を空けて熟成させて理解していってもらって「あ、こういうことか」ともう少し先に気付くようなればいいかなと思っています。ここで嫌悪感を示したり全然咀嚼できませんとなったりしてはいけないなと思っていたんですけど、今のところぎりぎり「咀嚼はできている、でも体現できなくて・・・」という丁度いい負荷がかかっていると思いますね。こちらが押し込みたいものと咀嚼できるもののバランス取るのが難しいところなので、そこを気を付けながらやっていきます。今回のキャンプで次回以降のキャンプのやり方も見えると思います。P1090370

2015年9月23日 | カテゴリー :

U-18フットサル日本代表 小森隆弘監督「第2回全日本ユース(U-18)フットサル大会」

8月20日~23日に宮城県仙台市で開催された『第2回全日本ユース(U-18)フットサル大会』の視察に訪れた、U-18フットサル日本代表 小森隆弘監督に、大会の感想や育成年代のフットサルのレベルアップのために必要なこと等を伺った。

―今大会、小森監督は予選からずっと試合を観られていたかと思いますが、試合内容に関してどういう感想を持たれましたか?

二つタイプがあって、試合を重ねながら都度セットしてきているところと、事前にフットサルの準備、研究をしてきているところとがありました。準々決勝、準決勝と進むにつれて、試合がどんどんフットサル化してきて、最後の作陽高校などはサッカー感覚をフットサルに転化している、サッカーの良さを残したフットサルをしていましたね

去年の決勝は、サッカーのミニゲームのままやってきた聖和学園と完全にフットサルのやり方、特にセットプレーの仕方とか細かいところで勝負した名古屋オーシャンズでした。それが今年の決勝はサッカー部同士だったにも関わらず、本当のフットサルの大会の決勝という印象を受けました。それはすごく感動的でしたし、嬉しかったですね。多分ですが、フットサルに興味を持ってくれそうな優秀なタレントが相当いるなと感じました。初めは膨大なリストの中からU-18代表候補を絞るのが大変だなと思って悩みに悩んでいましたが、ベスト8、4と進むにつれ、だんだんフォーカスが合ってきましたね。選手を見つけるという意味だけではなく、この年代の取り組みが今こういう段階なんだなというのが把握できたし、試合毎にどうパフォーマンスが変わるのかというのも何となく見えました。あとは、異質なエスパッソみたいなチームも面白かったですね。中学生も出ていましたからね。ああいうチームがこれから力をつけて、来年も再来年もやっていくと考えると楽しみですね。全体的に、大会2年目にしてはすごく進展の速いレベルアップで、嬉しいサプライズだらけでした。

―この大会が出来たことで、サッカー部がフットサルに取り組む度合いがだいぶ変わったようですね。

僕は予選の雰囲気を見てそのように想像していましたけど、やはり現実にそうなってきたんですね。

あと一つ気づいたのは、フットサルの知識をきちんと持った指導者がいらっしゃるのといらっしゃらないのとでは全然違うなというのはありますね。この年代以降はフットサルの対策の面で専門的な部分が出やすい、理解力とかフィジカルも含め専門的知識で違いを見せやすい。にも関わらず、それを知らないで普通にサッカーの延長でやってしまうと、チームの仕上がりや戦い方が変わってしまうなというのが今大会でも顕著でした。優秀な個を持って何とか対応したとしても、結局最後はその準備の違いが結果として出てしまうと思います。優勝した作陽は、釧路北陽との決勝でも圧倒的に試合を支配していましたし、点を取る時の形、持っていき方もフットサルに取り組んできたなというのが見て取れました。

(今後、この年代のフットサルを更にレベルアップさせるためには)フットサルの情報の普及というのが必要なんだろうなと思いましたね。まず大会が出来ました。次はフットサルはどうやって戦うものか、どういうスポーツかということを、もう少しこの年代の人たちに普及させることが必要なんだろうなと思いました。この大会はインパクトのある、転換期の狼煙を上げる大会だと思います。

―U-18フットサル日本代表の選考、活動について教えて下さい。

特にサッカー部の選手に関しては(フットサルをやることについて本人の意思の問題もあり)オートマチックに呼べるものではないので、誰を呼ぶということについてはまだ何とも言えませんが、まずは9月に1回目の活動を行う予定です。

U-18フットサル日本代表、間もなく始動!!小森監督

2015年8月27日 | カテゴリー :

多摩大学フットサル部・福角有紘監督インタビュー『フットサル志塾~自分たちの力で日本一へ~』

昨年度、東京都大学フットサルリーグ1部で見事優勝した多摩大学フットサル部。創部4年目を迎え、着実に力をつけてきている。そのフットサル部の監督を務めるのが福角有紘氏だ。福角監督は現役時代にバルドラール浦安の選手としてFリーグでプレーした後、指導者としての道を歩み出した。インタビューでは、福角監督が多摩大学の監督に就任した経緯や、指導者として心がけていること、試みなどをうかがい、福角監督が目指す指導者像、フットサル像に迫った。東京都予選 集合写真

― 本日はよろしくお願い致します。早速ですが、まずは福角監督が指導者になられたきっかけを教えてください。

最初は、横浜にある中村俊輔選手プロデュースのフットサルコート(ShunsukePark)で受付をしていたんですよ。その時に、そこのサッカースクールのコーチもやらせてもらって、すごく楽しかったんですよね。選手の時から監督っていうのは視野に入れてはいたんですが、実際に指導者になろうと思ったきっかけは、そのサッカースクールで子どもたちとの触れ合ったことですかね。

― 2012年に多摩大学フットサル部の発足と同時に監督に就任されたわけですが、それはどのような経緯だったのでしょうか?

多摩大フットサル部の話を受けた時は、僕は横浜から出身地の関西に戻っていたんです。横浜で子どもたちと触れ合ったことがきっかけで、子どもたちのフットサルスクールを作りたくなって、実際に作って走り始めていた時なんです。その時、高校の先輩の奥大介さん(元サッカー日本代表)が多摩大目黒のサッカー部の監督をされていたんですけど、その大さんから電話があって「今度、大学にフットサル部を作る。そこに監督を置きたいから、お前やれや」というのがきっかけで。僕は関西に戻っていたので初めは無理ですとお断りしたんですが、何度もアプローチをいただきまして。「指導者として大学の年齢をやるのはキャリアの中ですごくいいことだし、どこかで誰か見ているから」と言われ、最後は「お前は指導者として絶対成功する」という決め台詞的なものもあり、先輩後輩の圧力もあり(笑)プラス、この大学のコンセプトがすごく魅力的だったのでお引き受けしました。ゼロから始めるということ、どこのだれもやったことにないことにチャレンジできるっていうことは魅力だったし、自分が育ててもらったフットサルという競技に自分は力を注ぐべきだと思ったんです。「ゼロから始めて日本一になる」という目標も惹かれた所ですね。

― ここからは多摩大学フットサル部の練習についてうかがっていきたいと思います。まずは1週間の練習スケジュールを教えて下さい。

まず月曜の朝7‐9時でフィジカルをやって、火曜日は回復日でオフ、水曜日の朝7-9はトップチームのみ。木曜は2部練で、朝7‐9時でフィジカル、夕方4時半から6時がAチーム、その後Bチームが練習します。金曜日はオフにして、土日は午前練習か試合。週2回オフ日を作っています。

― フィジカルはどなたが教えていらっしゃるんですか?福角監督

FC東京のトップやJAF千葉の育成とかでやられていたフィジカルコーチで、今フリーでコンディショニングをやっている方にお願いしています。今日は心拍を測るのを着けて、ブルートゥースを使って5人の心拍数がiPadでリアルタイムで分かるようにして練習しました。ウォーミングアップから試合中にどれくらい上がってレストした時にどうなるか。何分くらいでレストができるか、どれくらい行けば強度が上がるか、じゃあどれくらいの出場時間かっていうことが分かったりするんです。そのデータを全員にメールで送れるので、帰りの電車でも見られて、今日は上げきれてない、サボり過ぎっていうのが本人たちも分かるんですよ。自分がいくらやったつもりでも数字は嘘を付かないですから。データを見ると腑に落ちるんですよね。あとは身長、体重、体脂肪も全部データを出しています。これもフットサル界ではあまりやっていないことなんです。こういったデータをまとめて多摩大が情報発信していけば、他のチームの基準にもなって、どれくらいやればいいかっていうことが分かると思うんですよ。

 ― なるほど、フットサルに特化した科学的アプローチをされているんですね。

科学的根拠があれば効率的に、説得力をもってトレーニングができますから。感情論にならないようにはしたいので、科学的なアプローチもかけています。例えば、30歳くらいの方とお話した時に「自分も大学の時にそういうトレーニングをしたかったな」と思ってもらえるようなトレーニングをしたいと思っています。

― 羨ましい環境ですね。他にはどんなことを意識して練習をされているのでしょうか?

実践のリアリティーを持ちつつ、決断を自分たちでできるように、スピードの中で強度を上げてというところですね。統合的にやっています。フットサルに必要な要素は全部やるべきだと思っているので、一つのスタイルに偏らないようにしています。そして、より実践に近い中で、僕が全部決めるのではなく、チームとしてコンセプトや優先順位は共有する中で、最終的な決断はピッチの中。みんなが決める、学生が決める。成功しようが失敗しようが、その決断のチャンスを奪わないようにしています。方向性は示していますけど。

― 最後は選手の判断、決断ということですね。多摩大フットサル部が発足して4年目を迎えましたが、チームはどう成長してきたと思われますか?

3年やったのでベースができましたね。例えばよくあるのが「クワトロ、4-0のシステムをやりますって言って、ディフェンスは半分で守ります、それ以外は練習しません」となったら、結局そんなのは試合始まってハマらなかったら5分で試合が分かってしまうから、そこは変えられないといけない。それを変えるための引き出しとか知識はトレーニングの中で入れていかないといけない。僕が分かっていても選手が分かっていないと共有できないですから。同じことを4年間繰り返すと、段々分かって来るんですね。理解して、提案が始まるんです。選手と一緒にFリーグを見に行くと「監督、うちでこれやれるんじゃないですか」というような提案をしてきたりするようになりましたね。

― なるほど、選手たちのフットサルに対する理解が深まってアイデアが出るようになってきたのですね。他に、監督がチームを率いるにあたって大切しているのはどのようなことでしょうか。

やっぱり目標と目的をしっかり明確にして、より高く持つこと。プラス学生一人一人に絶対良いところがあるのでそれを僕が見つけて引き出してそれを生かせるようにすること。あとは、ボール蹴るところ以外のオフ・ザ・ピッチというところはすごく言っていますね。時間とか挨拶とか。社会に出て基礎となる部分はしっかりしたいなと思っているので、「オフ・ザ・ピッチ日本一」というコンセプト掲げて、厳しく言っていますね。具体的に言うと、挨拶、時間をどういうふうに大切に考えられるか、あとは身だしなみ。「お洒落であれ!」と言っているんですけど、そういうピッチ以外の部分がしっかりしてくればピッチの中でもプレーにいい影響があるのかなと思っています。

監督胴上げ ― 「目標、目的を明確に」というお話がありましたが、多摩大学フットサル部はどのような目標、目的を持って活動されているのでしょうか?

多摩大の目標は、日本一を目指して「大学日本一を取り続ける」いうことで、その目的は「高い目標を持って自らの力で自らの価値を高めていき、充実した大学生活を送る」ということです。

 ― 福角監督の下、選手たちはその目標、目的のために情熱を持ってフットサルに取り組んでいらっしゃるんですね。ところで、多摩大学フットサル部には、国見高校、三浦学苑などサッカー強豪校出身の選手が何人もいらっしゃいますが、福角監督が特にサッカーエリートに入ってきて欲しいと思っていらっしゃる理由はどの辺りにあるのでしょうか?

単純に、サッカーのベースが高い子は巧くて強い。基礎が高いんです。それに、名門でもまれて来た子は理不尽にも耐えられるし、継続力がありますからね。厳しい環境でやっているから当たり前のラインが高いですよね。競争があって当たり前、試合に出られなくて当たり前ですから。

― 強豪サッカー部の中には、監督の言われた通りにやってきたという選手もいるかと思いますが。

確かに、いわゆるロボット化されている選手と自分で考えらえる選手がいるけれども、そこはトレーニングによって変えられると思っています。自分の考えを出していいよという環境の中で自分で決めさせていけば、変わっていく。考えてないのはその子が悪いわけじゃなくて環境の問題。大学に入ってからでも自分で考える力は十分に身に付けられると思っています。

― 環境が大事ということですね。さて、ここからは育成年代をテーマにお話をうかがいたいと思います。高校卒業後に本気でフットサルをやりたい、続けたいという場合、多摩大学のような大学の部活の他、Fリーグ、海外などいくつかの選択肢があると思いますが、何をポイントに進路を選べばよいでしょうか?

大学であれば今年から関東大学プレリーグが出来て受け皿が整いつつあるので、これからはチャレンジしたら面白いと思います。それと、一緒に勉強して、部活して、同じグループで日本一を目指す4年間というのは大学の部活でしかできませんから、そこも魅力だと思います。でも結局は、その子の目標がどこであるかがポイントだと思います。Fリーグを目指すならその下部組織がいいでしょうし、大学に入って多摩大みたいに部活としてやって就職に繋げていったりというのも一つだと思います。個人的には、その年代でしかできないことを選んでいったら面白いかなとは思いますね。その子が将来どうしたいかですけど、例えばもし海外に魅力を感じているのであればすぐ行くべきだと思います。言葉の問題もあるので早い方がいいでしょうね。(進路を選ぶ時にも)目標、目的が大事ですね。それがあれば、どこを選ぶかは自ずと出て来ますから。あとは、そこにどれくらい情熱を注げるかですね。

― 福角監督は関西で「DIEGO futsal school」を運営されていると伺いましたが。

はい、幼稚園から小学6年生までのスクールで5年目になるんですけど、そこの年代にフットサルの楽しさを知ってもらいたいなというのが一番のきっかけ、目的でやっています。そこから選手としてトップに行く子は1%かもしれないけれども、将来もしどこかの社長さんとかになったらスポンサーになってフットサル界に貢献してくれるかもしれない。子どもの頃にフットサルが好きなったら大人になってサポーターになるということもある。そういった意味でこの年代にフットサルを認知してもらうのは大事だと思ってやっています。

― 幼児や小学生の年代は、サッカーのためにフットサルも練習するというケースが多いかと思います。この年代でフットサルを経験することは、具体的にどのようにサッカーに活きてくるのでしょうか?どんな力が付くのでしょうか?ゴール前攻撃

やっぱり状況判断の速さだと思います。フットサル日本代表のミゲル監督も言っていますが、フットサルはサッカーに比べて6倍の経験ができるので、テクニックだけでなく、頭の中のスピードが付くんです。15歳、18歳くらいで変わってくるのかなと思います。判断力、決断力、問題処理能力が身に付きますから。

― 現在のフットサル全体の環境についてはどう思われますか?

認知がされてきて全体的に環境がよくなってきているので、あとは指導者がどれだけ増えるかがポイントかなと思います。地域リーグでも監督がいない、プレーイングマネジャーのチームが多いですから。特に育成年代は絶対監督が必要。プレーする場所は増えてきたので、次は教えられる人、導ける人が増えてくるといいなと思います。

― 最後に、育成年代のフットサラーにメッセージをお願いします。

フットサルはまだまだ可能性があるスポーツ日本代表のユニフォームを着られるチャンスもあるし、プロになる可能性もある。いろんな可能性が秘められていると思うので、自分で自分の人生を切り拓いていきたいのであれば、フットサルはチャレンジする価値のあるスポーツだと思います。もしフットサルが好きであれば、目標を高く持って、そこに情熱を注いでいけばいいと思います。

futsal R編集部

【多摩大学フットサル部 福角有紘監督プロフィール】

1978年、兵庫県生まれ。

<選手歴>

MAGフットサルクラブ、 プレデター浦安、 Fリーグ バルドラール浦安

<代表歴>

2000年、2004年フットサル日本代表候補

<指導歴>

プログレッソ大阪監督、 大阪府選抜監督、 U-23大阪府選抜監督

現フットサル日本女子代表コーチ

【編集後記】

今回のインタビューを通して印象的だったのは、何よりも福角監督のフットサルに対する「情熱」だ。「どういうチームならば勝てるのか」「どういったトレーニング環境が必要なのか」、チームのあり方を突き詰め、細部にまでこだわり続けていることが伝わってきた。大学でフットサル部として活動しているチームがそう多くない中で、多摩大学にはフットサルに打ち込める十分な環境が整っているのだ。高校時までにフットサルにのめりこんだ選手も、大学でサッカーからフットサルに転向する選手も、「大学日本一」になれるチャンスが多摩大学にはある。

多摩大学フットサル部 部長 川口達也選手インタビュー『大学フットサルから次のステージへ』

2015年7月15日 | カテゴリー :